「YUKI concert tour“Flyin’ High”’14~’15」から読み解くもの

YUKIは「真のロックンロール!」

 

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思い返せばニュー・アルバム「FLY」が出た当初賛否両論が起きた。「もっとロックな方が良かった」、「JAM時代のようなロックを期待していた」、あるいは「ポップ過ぎる」、しまいには「微妙・・・」等々、それらは「たまたま自分の好みに合わなかった」という取ってつけたような主張に過ぎない。

ファンと単なるリスナーとの違いは何か?はっきりとした定義があるわけではないが、二次的思考ができるかできないかであろう。

二次的思考というのは、表面上だけで物事を捉えるのではなく、ありとあらゆる情報から方程式を組み立て答えを導き出すというものだ。一方、一次的思考は底が浅く単純な考えで安易に答えを出す傾向にある。

例えば、「この曲は好きじゃないから聴かない」は一次的思考で、「なぜ今この曲なのか?この曲で何を表現したいのか?この曲のジャンルはあまり聴かないけど、ライブで聴いたら違った印象があるかも知れないし、違った世界があるのかも知れない」というのが二次的思考である。

YUKIは「歌」と「踊り」、この至極当然でシンプルな取り合わせを「FLY」に詰め込んだ。ライブでは「観客」という不確定要素が交わることで様々な化学反応が起こる。

そして、「エニィタイムダンス!」というキーワードを使い観客を乗せる。それこそYUKIが生きる道であり、進むべき道なのだ。ジャンルという音楽構造の中だけで生きるのではない、そもそもYUKIという存在自体に意義があるのだ。

彼女の歌う曲はポップスだが、髪を振り乱し顔をくしゃくしゃにして歌う姿はロックンロールそのものだ。YUKIの場合、楽曲だけでジャンルを語る事はできないし語ってはいけない。彼女は真のロックンロールであり本物のロックシンガーなのだから・・・。

 

YUKI at 仙台サンプラザホール

「青葉城恋唄」

 

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1月28日。小雪が舞うなかセミファイナルとなった仙台公演を観てきた。最後の影アナが流れると客電が落ち、スクリーンに映像が映しだされる。ライブは「Y・U・K・I」のオブジェをYUKI本人がハンマーでたたき壊すシーンから始まる。そして、映像は逆回転を始め元の姿に戻ると、ステージ中央から巨大な「Y・U・K・I」のオブジェに乗ってYUKIが登場。

Uの字のカーブになってるところに寝そべりながら、オープニング曲「誰でもロンリー」を披露。“誰かのアイドル”のフレーズでオーディエンスが拳を振り上げる動作はすっかり定番となった。

2曲目は間髪入れずに「JOY」が続く。馴染みの曲にオーディエンスがヒートアップすると、3曲目はふたたびアルバム曲「Jodi Wideman」を熱唱。ハンドクラップでリズムをとるとタテノリでピークに到達する。

「仙台のみなさんこんばんは!YUKIです」「Jodi Wideman」を歌い終えると、恒例となったMCコーナーへ突入。しかし、この日は冒頭で言葉が詰まってしまう場面が見られた。公演中止と延期になってしまった事を詫びるYUKI。だが、「エアーハグ!」と冗談を飛ばし、いつものYUKIに戻った。そして、YUKIいわく念願の「青葉城恋唄」を即興で熱唱。「ちゃんと練習しておけばよかった キー間違えました」と、後悔するも満足気な様子。続けてアルバム「FLY」ついて語り、気になる髪飾りのハエ(人の髪の毛で作られた)にも触れた。

「この会場は良いですね みなさん近いですよ!良く見えます みんなの声が聞きたい!」というと、「3階!2階!そして、1階!」のコール&レスポンス。その後、スクリーンに環ROYと鎮座DOPENESSの2人が映し出され、ヒップホップナンバーの「波乗り500マイル」へと続く。

YUKIミュージアムのオブジェに掛けられているベールを取りながら歌い、最後には大きなオブジェ(ユキンコ)のベールを取って「相思相愛」を歌うと、YUKIの代表曲とも言える「プリズム」も披露。もうこの曲の説明は不要だろう。

スローテンポな「君はスーパーラジカル」と続き、8曲目は一転して宝石のようなオブジェに座って「It’s like heaven」の世界を演出。曲の最後には「会いたい時 私を呼んで・・・」で、YUKIが「コール・ミー!」と催促すると、すかさずオーディエンスが「ユキ―!」と叫ぶ。

前半最後の曲は「ティンカーベル」だ。お馴染みの「joy to the world~」をみんなで大合唱。

ここで一旦、YUKIとバンドメンバーがステージ袖に消え、スクリーンに“おとぎ話”のイメージ映像が流れる。そして、コミカルなゲーム音に変わると、ステージ中央からふたたび黒い衣装に身を包んだYUKIが登場し「スリーエンジェルス」を披露。ゲームの中に入ってしまった女の子が“スリーエンジェルス”を探すストーリー展開が印象的だ。

「長い夢」「わたしの願い事」を立て続けに歌い「ポートレイト」と続く。曲のタイトル通りに額縁が下りてきて、その額縁の中で歌うYUKI。そして、「ワンダーライン」「ランデブー」へとなだれ込んでいく。

圧巻はなんと言っても「STARMANN」だろう。間奏で激しく舞うと、勢い止まらずステージセットを蹴りながら舞うYUKI。曲の雰囲気からは想像できないほどの過激なアクションでオーディエンスを魅了すると、続けて「坂道のメロディ」を披露。

そして、スカジャズのイントロが流れると客席に向かって軽くお辞儀をし「カ・リ・ス・マ in the dark」が始まる。曲の後半には銀色の紙吹雪が舞い“美しい世界”を演出。

本編ラストは「fly」。ステージ上はキーボードの伊藤隆博氏とYUKIだけになり、ホール全体にYUKIの声が響き渡り、最後は静寂のなかステージ中央へ消えていくYUKI。その後大きく鳴り響く拍手。

休む間もなくティンカーベルのコーラスでアンコールを始めるオーディエンス。「アンコールありがとうございます。」と、ふたたびYUKIが登場。ここでバンドメンバーの紹介。キーボードの伊藤隆博氏がユキンコギンコをテルミンに改造。するとYUKIが「私に黙っていつの間にか作ってたみいです 著作権料ちょうだい!」という鋭いツッコミが入る。

そして、アンコール1曲目は「真夜中の恋人」。「もう一曲歌ちゃっていい?」というと、初お披露となる曲「口笛」を仙台バージョンで披露。次のツアーではセットリストに入ってくるだろう。と言うより演って欲しい曲だ。そして、ギターを持ちロックナンバーを演奏。「私、ロリータバンド出身なんで・・・」というと会場は大爆笑。「ギター弾けるんですよ!なんか新人バンドみたいな演奏でしたけど・・・」と言っていたが、かなりロックなナンバーでオーディエンスのノリも良かった。

その後、「鳴いてる怪獣」が続き。最後の曲「はみだせ ラインダンスから」ではロールテープが舞いボルテージが最高潮に達した。

ラストは、いつものようにマイクを使わず感謝を述べると、大歓声なか惜しまれつつステージを後にした。

 

☆ ☆ ☆

 

 

「YUKI concert tour”Flyin’ High” ’14~’15」セットリスト

M01 誰でもロンリー
M02 JOY
M03 Jodi Wideman
~MC(青葉城恋唄)~
M04 波乗り500マイル@YUKI Feat. KAKATO
M05 相思相愛
M06 プリズム
M07 君はスーパーラジカル
M08 It’s like heaven
M09 ティンカーベル
~映像~
M10 スリーエンジェルス
M11 長い夢
M12 わたしの願い事
M13 ポートレイト
M14 ワンダーライン
M15 ランデヴー
M16 STARMANN
M17 坂道のメロディ
M18 カ・リ・ス・マ in the dark
M19 fly
Encore
~MC~
EN01 真夜中の恋人
EN02 口笛
~MC~
EN03 鳴いてる怪獣
EN04 はみだせ ラインダンスから